夜風


いつものように君の部屋に入る

ノックの一つもしないまま入る

いつものように「おかえり」って言ってよ

君は遠くを見るような目で僕を見る


僕がいた君の今まで それが唯一の荷物

僕の気持ちは変わらない 君の気持ちはどうなの


今日も会いにきた 喜んで欲しいな

いつまでそんな顔するの

君はまだ泣いてる


僕を忘れたように笑う君

やっと笑ってくれたのに何故かかなしい

時々思い出したように僕の名を呼んで泣く君

また涙を見てしまったのに何故か嬉しい


僕のいる君のこれから それは無い物ねだり

僕の気持ちは変わらない 君の気持ちはどうなの


今日も会いにきた 喜んでおくれよ

どうしてそんな顔するの

君は何故怯えてる


僕が悪かった 君を残して去ったから

悔しい、かなしいけど君に前向いて欲しいんだ


この涙も拭けない 抱きしめられもしない

温もりのないこのカラダ

風のように通り過ぎる、君を


もう僕を見たって笑ってくれない

怖がらせて泣かせるだけ

もう僕がいなくても君は

きっと・・・