消したい夜

 

増えていく 増えていく 消したい夜がほらまた一つ

 

この間の赤っ恥もまだ僕を引っ掻くのに

またもやポーカーフェイスの出番がきて見事にこなした

 

増えていく 増えていく 消したい夜がほらまた一つ

それでも 進むことを選んだから今日も眠れない

 

転んで出来た膝の擦り傷が治らないのは

歳のせいなのかな 何にせよ 子供の頃とは違うよな

 

増えていく 増えていく 消えない傷がほらまた一つ

少しずつ痛みには慣れていくけど疼くんだ

消えてはくれない

 

身体中波打つような感覚 震源地は鳩尾の少し左

惨めな走馬燈が駆け巡って少しずつ僕を削っていく夜

全てに枕で蓋をしたのに僕の肩叩き嗤っている

 

走っては転んで

登っては落っこちて

投げても届かない

積み上げても崩れて

手を伸ばしても掴めない

残ったのは傷、恥、痛み、足跡

 

増えていく 増えていく消せない夜がほらまた一つ

どうしたって進むことはやめたくないんだ

せめてこの夜を染めてくれ、朝焼けよ